  

八上比売(ヤガミヒメ)に“振られた”八十神たちは、オオムジナに八つ当たり。殺そうと考えを巡らせ、欺し討ち。卑怯な手段で大国主命を誘い出します。大きな焼け爛れた岩を抱えた大国主命は…。

赤岩猪神社

八上比売に言い寄る八十神に八上比売は爪t区言い放った。
「私はあなた方の仰る言葉は聞きません。大穴牟遅神に嫁ぎます」
八十神の心の中は怒り狂った。こうなっては大穴牟遅の神を殺すしかない、と皆で計画を立て伯伎国の手間の山本に着いた時に命じた。
「赤い猪がこの山にいる。我々が追い出すのでお前は待ち構えていて捕まえろ。もし失敗するようなら、必ずお前を殺すぞ」
そう言って山に入り、火を焚き猪に似た大きな石を焼き、転げ落とした。この石を猪と見た大穴牟遅神は抱え込んで焼け死んでしまった。母親は嘆き悲しんだ。天に上り、神産巣日之命に訴えた。命はすぐにキサ貝(=アカガイ)比売、蛤貝比売(ウムギヒメ)を派遣して生き返らせる処置を命じた。キサ貝比売は貝を集めて粉にした。蛤貝比売はそれを溶かし母乳のようにして塗り込むと、美しく、逞しい男になって歩き始めた。
赤岩猪神社は白兎神社に続いて立ち寄った。舗装はしてあるが狭い田舎道を走り、道が緩く曲がっている右側に鳥居が有り、奥に階段と本殿が見えた。変哲もない神社で、参拝者で賑わって居る様子もなかった。本殿には太い注連縄が張られ、左奥には10㍍ほどの長方形の柵。その中には大きな岩が重なるようにあった。神社の説明文だと、この岩の下に、大穴牟遅神を、一度殺した焼け爛れた猪に似た大石が封じこめられているのだという。大国主命、若き日の受難の痕跡という訳だ。しかし、大国主命=大穴牟遅神、の受難はさらに続く。

左・出雲の地を感じさせる太い注連縄。 右・囲いの中には大きな石。この下に猪と見誤った岩が封印されている
八十神はこの様子を見ては、面白くない。無念の気持ちを抱きながら山に入り、大穴牟遅神をまたも欺して山へ連れ込み、大木を切り、割れ目を作り、そこに楔を打ち込んで、その中に入らせた。そして楔を叩いて外し、挟み殺してしまった。母親は泣きながら子供(大穴牟遅の神)を探し出し、木を割いて助け出して蘇生させた。オオクニヌシは2度死に、二度蘇えった。

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「このままここに居たのではいずれ八十神たちに殺される」
母親は木国(紀伊の国)の大屋毘古(おおやびこ)神の元へと送った。八十神たちは矢を放って追いかけたが、何とか木の股を抜けて逃げ切った。
「ここまで来れば、もう安心」
大穴牟遅の神は大屋毘古神(オオヤヒコ)の国へ着き、一安心したのですが、間もなくそうはいかないことに気づいた。八十神たちは木国までも追いかけてきたのだ。大屋毘古に弓矢を向け、大穴牟遅を引き渡すように迫った。大矢毘古は大穴牟遅をこっそりと木の穴から逃がす。その時、大屋毘古は囁くように告げた。
「根之堅洲国(ねのかたすくに)へ行きなさい。そこの偉大な神が助けてくれるでしょう」
「その神は誰なんですか?」
「須佐之男命(スサノヲのみこと)です」
根之堅洲国は異国。何故、スサノヺが異国に居るのか、そこは不明だが、大穴牟遅はそこへと向かうほかなかった。
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